J1山形の新外国人FWファグネル(19)が13日のアウェー浦和戦で、初めてベンチ入りすることが濃厚になった。11日の紅白戦では古橋と主力組のツートップを組み、キレのあるドリブルでペナルティーエリアに何度も侵入。小林監督は「途中出場なら何かやりそうでおもしろい。とにかく速い。日本にこういうところ(熱狂する埼スタ)があるのを、見せるだけでも刺激になる」とスーパーサブでの起用を示唆した。

 先月27日に期限付きで移籍してきた「育成目的」のブラジル人は、この日で4日続けて指揮官の居残り特訓を受けた。「個人指導は自分にとって、一番いい時間。ゲーム形式の練習もできて、監督に教えてもらっている動きに、いい感触があった」と気合十分だ。

 指揮官が「プレーが非常にハングリー」と評価するファグネルは、ある決意を秘めている。「大きなお金が入ったら、ブラジルの家族のために使う」。両親がおらず、幼少時から育ててくれた祖母へ恩返しをしたいのだ。「自信を持ってやる。速さだけでなくジャンプ力も1メートルはある。ヘッドも自信がある」と意気込む若者が、浦和切りを手始めにサクセスロードを進む。【山崎安昭】