約5年ぶりに日本代表に復帰した東京MF石川直宏(28)が、4日の名古屋戦(瑞穂)で、Jリーグのトップクラスの「得点奪取ペース」を証明するゴールを狙う。J1得点ランク2位の石川は今季リーグ戦で、約123分に1得点のハイペースで得点を重ねる。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で4強に進出し、波に乗る名古屋からゴールを奪い、6日集合の日本代表合宿を前に存在感を示したいところだ。3日は東京・小平グラウンドで紅白戦に出場した。

 石川は激しい雨の中でもペースを崩さなかった。紅白戦では主力組の一員で左右のMFでプレー。前日の日本代表発表後に散髪したという新ヘアをなびかせてゴールに迫った。6日の代表合流前、最後の試合になる名古屋戦に向けて「ゴールはいつも狙っている。(代表復帰も)浮かれることはまったくない」と、得点力を存分に披露したいという意欲を口にした。

 石川の得点ペースはスピード感十分だ。今季J得点ランク2位の13得点は1609分間のプレー時間で奪っており、約123分間で1得点のペースで決めている。得点ランク5位以内では、14得点でトップを走る前田(磐田)より約50分間も速いペースで得点を量産。途中交代が多いという事情はあるが、同じく日本代表に選ばれた前田、岡崎(清水)らFWより短いプレー時間で得点を重ねており、その得点能力の高さを示している。

 今年6月には「今年がラストチャンス」と海外移籍の気持ちを吐露した。代表で試合出場を続ければ、欧州から注目される可能性は増してくる。「積極的に自分を出せば、W杯やその先のこともつかめるのかな」と石川。名古屋戦でハイペース弾を決めれば、代表合流に勢いがつくことは間違いない。【藤中栄二】