コンサドーレ札幌の村田達哉強化担当(37)が来季、アシスタントコーチに就任することが10日、濃厚となった。同氏は札幌のDFとして6シーズン活躍。現役引退後の05年からイタリア・セリエAのキエボにコーチ留学するなど、海外サッカーにも精通しており、幅広い知識と豊富な経験を元に石崎監督をサポートしていく。

 札幌が強化部からの新コーチ抜てきで雪辱昇格を目指す。昨季から2季、強化担当として選手獲得などに貢献してきた村田氏が今度は現場スタッフに入り、らつ腕を振るうことが濃厚となった。複数のクラブ関係者が「その方向で進めている」と話しており、近日中に正式決定となる方向だ。

 イタリアでコーチ学を学んだ若き俊才が中心となり新生石崎札幌を支えていく。同氏は05年8月から3季、セリエAキエボにコーチ留学し、育成部指導に携わった経験がある。同クラブはワールドクラスの選手はいないが、低予算の中で若手を育て、強化につなげていることで有名。札幌と似た環境で培った育成手腕を武器に、チームのレベルアップにつなげようという狙いもある。

 現時点ではアシスタントコーチ就任が濃厚で、サテライトチームの指導にあたる可能性が高い。来季メンバー編成は24人前後と史上最少になることも想定され、クラブ関係者は「ユースとの連携をこれまで以上に強めていきたい」と話している。ユース選手の練習参加やサテライトリーグ出場が増えることも想定されるだけに、同氏の手腕はトップの若手だけでなく、ユース選手の底上げにもつながるはずだ。

 札幌の選手時代は左サイドバックとして00年のJ1昇格に貢献。翌01年には仙台に移籍して2季連続で昇格にかかわった。明るい人柄で現役時代はJの3クラブを渡り歩きながら、どのチームでも常に人気者だった。育成術、強運、人気と3拍子そろった37歳が石崎監督をバックアップする。