コンサドーレ札幌U-18所属の荒野拓馬(17)が、24日のJ2富山戦にベンチ入りすることが22日、濃厚となった。17歳6カ月と4日でのメンバー入りは、今季5月30日の富山戦で、18歳と20日のクラブ最年少デビューを果たしたU-18三上陽輔(18)の記録を更新。高校2年生では初のリーグ戦帯同となる。若きボランチが、前節甲府戦で初ゴールを決めた三上に続き、チームに新風を吹き込む。

 古田、三上の次は荒野だ。93年のJリーグ元年に生まれた17歳が、Jデビューする可能性が出てきた。「緊張している。とにかくチームの勝利に貢献できるように頑張りたい」。前節甲府戦ではユースの先輩、三上がクラブ最年少ゴールを決めた。出場すればその三上超えとなるが「プロは1つ気を抜けばミスになる。常に意識したプレーをしたい」と気を引き締めた。

 この日の紅白戦ではサブ組のボランチに入り、得意の右足で存在感を見せた。右からのFK練習ではキッカーを務め、約20メートルの強烈なシュートがバーを直撃。中盤でも落ち着いた球さばきを見せアピールした。練習後には26歳離れた“ボス”FW中山にアドバイスを求めるなど雰囲気にも慣れてきた。石崎監督も言葉を選びながらも「悪くない。良かったんじゃないか」と及第点を与えた。

 昨季、高校生ながら初めて年間通しトップ帯同した古田が今季、エースとして成長した。今季は三上がデビューし、高校生初ゴールも決めた。石崎監督は2種登録選手を連続して起用してきたが「決して若いからという理由で使っているわけではない。練習で良かったから使っている」と完全競争でメンバーを選んでいる。それは荒野のケースも同じ。6月に練習に参加した際も「いい発想を持っている」と評価しており、長期的に見た結果が今回のメンバー入りにつながった。

 MF岡本の負傷離脱などで18人のメンバーがそろわない状況ではあるが、荒野にとっては大きなチャンスだ。当日はJユース杯とも重なっていたが「ユースの仲間には迷惑を掛けるけど、コンサドーレという1つのチーム。上のチームで活躍することも同じこと」と前向き。富山戦はユースの先輩三上も帯同が濃厚で、初の高校生ダブルメンバー入りとなる。移動の服装はともに学ラン。チームは昇格消滅目前だが、硬派な10代パワーを加え、もうひと踏ん張りする。【永野高輔】