東北ゆかりのサッカー選手たちが東日本大震災の被災地のサッカー少年に、“希望のスパイク”1000足を届けることになった。元仙台の選手で、現在はインターネット通販と通信販売を行う株式会社フェザンレーブニックスで働く中田洋介さん(29)が発起人となり、鹿島MF小笠原満男、広島FW佐藤寿人、仙台MF関口訓充、同MF梁勇基らが賛同した。30日時点で目標の1000足には達していないが、確保でき次第、中田さんが現地を回って子どもたちに配っていく。

 大船渡高サッカー部で中田さんの2年先輩にあたる小笠原は、震災後に現地に入り、生活自体の苦境とともに、グラウンドなどの施設面の危機を痛感した。そればかりかボール、スパイクまでない。少年サッカー団の中には存続が危ぶまれるチームもあった。29日に行われた慈善試合でも、Jリーグ選抜のカズが「サッカー少年のために助けたい」と決意をみせていた。

 被災地ではまだスポーツにまで気持ちが届かない現状はある。それでも、子供にとっては目の前にスパイクがあることで、ほんのわずかでもわくわくしたり、ボールを蹴りたいという気持ちにつながるかもしれない。中田さんの試みには、近い将来につながる可能性が秘められている。