来季発足するJ3入りを目指すグルージャ盛岡に“合格点”が出た。Jリーグの大東和美チェアマン(65)が25日、入会審査のため盛岡市を訪れた。市役所や岩手県庁を訪問したほか、ホームスタジアムの盛岡南公園球技場も視察、「体制は整ってきている」と評価した。この日の審査結果を受け、12月2日の理事会で盛岡のJ3参入が正式決定する。

 球技場のピッチに立った大東チェアマンは「芝はいい。十分だね」。照明設備や観客席、トイレなどもチェックし「これから整備をお願いしたい。屋根もあるといいね」と話した。雨の中での視察では、盛岡の鳴尾直軌監督(39)も傘を6本抱え、おもてなし。到着を待つ間、「柄の部分がJの形だ」と確実視されるJ3入りを見据え、笑顔を見せていた。

 大東チェアマンは県庁で達増拓也知事(49)とも会談。知事から「J3参入が決まったブラウブリッツ秋田がうらやましい。ぜひ盛岡も」と言われると、「『じぇじぇじぇ』から、今度はJが3つで『じぇーじぇーじぇー』ですね」とのリップサービスも飛び出した。同席した臼井康雄いわてアスリートクラブ社長は「(チェアマンから)心強い言葉を頂きましたので、ぜひJ3昇格を実現したい」と、期待を寄せていた。【成田光季】

 ◆J3

 来春から12チームで発足するJ1、J2の下部組織。今月19日開かれたJリーグ理事会で既にJFLから9チーム、J1、J2の若手で作る選抜チームの計10チームの参加が決定した。残り2枠はJ2、JFLの入れ替え戦で敗れたチームと、J3ライセンスを得たグルージャ盛岡、レノファ山口、アスルクラロ沼津の地域リーグ3チームの中から1チームが選ばれる。3チームの中で、全国地域リーグ決勝大会で初優勝するなど成績上位のグルージャ盛岡が第一候補として最優先で審査される。