<高校サッカー:開会式>◇30日◇駒沢

 第93回全国高校サッカー選手権が開幕した。開会式が行われ、4年ぶり11度目出場の静岡学園は堂々と入場行進。19年ぶりの全国制覇に向けて気持ちを高めた。開会式後は横浜市内の練習場に直行し、約1時間半のメニューで調整。来年1月2日の2回戦で佐賀東と対戦(相模原ギオンスタジアム=午後2時10分)する。

 静岡学園イレブンの表情は晴れやかだった。校旗を掲げたDF石渡旭主将(3年)を先頭に、堂々と入場。メーンスタンドの大会本部前では今大会用に作った小旗を振り、満面の笑みを見せた。今年は国立競技場が改修工事で使用できないため“聖地”での行進とはならなかったものの、石渡は「観客も多かったし、雰囲気を感じることができた。ようやく始まるんだという気持ちになった」と目を輝かせた。

 選手らは終始笑顔だったが、すぐさま気持ちを切り替えていた。開会式後は横浜市内の練習場に直行。パス回しなどのメニューをこなし、約1時間半の練習で汗を流した。1年生GKの山ノ井拓己は「華々しい雰囲気は開会式まで。初戦でしっかり勝てるようにベストを尽くしたい」。FW本藤風太(3年)も「体と気持ちを整えて臨みたい」と表情を引き締めた。

 チームは今日31日と明日1日の2日間で最終調整を行い、佐賀東との初戦に挑む。今大会は全国優勝を成し遂げた19年前と似たデザインにユニホームを新調し、再び頂点を目指す。スタンドから選手らの行進を見守った川口修監督(41)は「今回のユニホームは復刻版。表情もリラックスしていてよかった」と満足げだった。

 すでに臨戦態勢に入ったイレブンの目標は19年ぶりの全国制覇だ。石渡は「ここから技術が上がるわけではないので、しっかり気持ちを整えていきます」と、まずは初戦に全力を尽くす。【神谷亮磨】