石さんが“出直し3カ条”を掲げた。J2札幌は27日、札幌・宮の沢で約1時間の調整を行った。前日26日の岡山戦で、連勝がストップしたことを受け、5連勝の場合に想定していた2連休を1日に短縮。ジオゴ封じを打開するため、2列目選手の再セレクションも示唆した。控え選手のアピール合戦を含む、3つのてこ入れ策を導入して連敗阻止と上位再浮上につなげる。

 札幌が悔しさをバネにはい上がる。4連勝と波に乗っていたのが、前節まで17位と低迷していた岡山相手の完封負け。一気に上昇ムードはしぼんだ。5連勝なら今日28日から2連休という“ご褒美”プランもあったが当然、白紙となった。石崎信弘監督(53)は27日の練習が終わると「下手くそなんじゃから練習するしかないじゃろ。疲れて力が出せないというなら辞めた方がええ」と厳しい口調で話した。徹底的に一から鍛え直す覚悟だ。

 ジオゴと周りの連係も詰めていく。前線の軸としてフィットしてきたが岡山戦では徹底的に封じられ、ほとんど機能できなかった。「ジオゴにはもっとやってほしかったという思いもある。2列目の選手も考えないと。近藤は先発タイプだからスタートからが理想だが、古田、砂川、内村については、いろいろ試してベストの組み合わせを探したい」。水戸戦までは中5日と時間があるため、じっくり時間をかけてD砲の相棒をセレクトしていく。

 途中出場選手の再爆発も期待した。岡山戦については「控えは内村1人しかいないようなものだった」と振り返った。内村以外に上原、横野を投入して打開を試みたが無得点に終わった。7月は9日の愛媛戦で横野、16日の水戸戦で岡本、31日の岐阜戦で上原と、途中出場選手が決勝点を挙げた。8月に入ると先発組の活躍が目立ち、せっかく芽生え始めていたサブメンバーのアピールは鳴りを潜めた。しかも、この日の練習試合で控え組がユースチームに敗れる始末。今後はサブ組の尻もたたいて、全体の底上げを図る。

 「上位陣に勝ち点をあげなかったのは良かった。だがこれまでは運が良かっただけ。この負けで悔しいと思ってやってくれれば。たまたま負けたと思っていては何も変わらん」。4連勝で積み上げたものは確かにある。この敗戦を力に変えられるかどうかが昇格へのカギになる。【永野高輔】