<J2:山形3-2大分>◇第3節◇17日◇NDスタ

 ついにエースが乗ってきた!

 ホーム開幕戦でJ2山形は大分に勝利。大黒柱のFW山崎雅人(30)が前半31分に先制弾、後半34分にダメ押し弾を決め、残雪の目立つ山形を熱く盛り上げた。今季は、33番から愛着のある「背番号30」に変更。本人、サポーターともに待ちわびたゴールで、チームを連勝に導いた。

 エースが試合を決めた。いや、試合を決める力があるからこそのエース。3試合目にして目覚めた山崎を、誰も止めることはできなかった。前半31分、FW中島がPKを獲得した。直前にPK練習をしていた山崎は「蹴らしてほしい」と直訴。中島も快諾。「違うところを狙っていたけどキーパーが動いたから」と瞬時の判断でゴール右へ押し込み、今季初得点を挙げた。

 こうなると止まらない。後半34分、DF西河が自陣から大きくクリア。「『ここに蹴ってくれへんかな』ってとこに来た」。スッと裏へ向け出し、ワンバウンドしたボールを左足でとらえた。昨年8月13日の甲府戦以来の2得点に、真面目な男が珍しくスタンドへ投げキッス。そしてユニホームの背番号を強調した。

 愛着のある「30番」。出会いは偶然だった。京都・久御山高時代、1年ながらスタメンを獲得。上級生から若い番号を着用する“年功序列制”に従うと、手元に30番が巡ってきた。以降、古巣・大分ではプロ初得点、G大阪ではマンチェスターU(英1部)からゴールしたときも背負ってきた。オフにはフロントが10番を用意。だが両親や夫人とも相談し「やっぱ30がいい」と断った。何より、各クラブで背負った30番のユニホームを大事にしてくれているファンを大切にした結果だった。

 217日ぶりのホーム戦白星。「いつまでも喜んでいられない。もっと取れる場面があった」。貪欲な男は、これしきで満足などしていない。【湯浅知彦】