初優勝を狙うアーセナル(イングランド)が、ホームでアトレチコ・マドリード(スペイン)を1-0で下した。前半45分、こぼれ球をイングランド代表FWブカヨ・サカ(24)が押し込み決勝点。2戦合計2-1とし、名将アーセン・ベンゲル監督が率いた2005-06年以来、20年ぶり2度目の決勝進出を果たした。決勝は30日(日本時間31日)にハンガリー・ブダペストで行われる。
◇ ◇ ◇
今季のアーセナルを象徴するプレーだった。後半6分、敵陣深くからのロングパス。DFサリバが頭でバックパスしたボールが相手MFのJ・シメオネに渡る。絶妙なタッチでエリア内へ入られたところ、DFガブリエウが身を投げ出してブロック。ノーファウルで決定的なピンチを脱した。
今大会14試合で10勝3分けと唯一の無敗。何より最少6失点という堅守が光る。それでいてレッドカードはゼロ。首位のプレミアリーグでも35試合で最少の26失点だ。伝統的に流れるようなパスワークと攻撃の連動美を売りとしてきたが、クラブOBのアルテタ監督は欧州制覇のカギとして守備を徹底強化した。
「このような瞬間を分かち合え、素晴らしい夜になった。信じられない気持ちだ。多くの幸せそうな顔を見て、自分たちのやっていることを誇りに思う」。一昨季は8強、昨季は4強、そして今季は決勝進出と着実にステップした指揮官は、笑みが絶えなかった。
本拠地アリアンツ・アリーナは優勝したかのような祝賀ムードとなった。音楽が鳴り響き、サポーターは歓喜の拍手。アルテタ監督や選手は手をつないで“カーテンコール”に応えた。
この光景に、08年にマンチェスターUで欧州を制したルーニー氏は「まだ優勝していない。あの祝賀は少しオーバーだ」。もう1つの準決勝、昨季王者パリSG対Bミュンヘン戦を「事実上の決勝」と呼ぶ声が多い。実際に第1戦は5-4という壮観な打ち合いだっただけに、ぬか喜びとならぬようにクギを刺した。
20年前を知るベンゲル氏は「祝うのも喜ぶのも当然だ。そして次のステップとして決勝で勝つことだ」と期待を膨らませる。攻守にそつのない組織力を発揮するアーセナル。初優勝への機は熟した。

