仙台MF関口訓充(26)が、強い決意で明日8日の天皇杯2回戦、ソニー仙台戦に臨む。開幕ダッシュを支えながら度重なる故障でリーグ戦ではベンチスタートが続いている高速ドリブラーにとって、公式戦約1カ月ぶりのスタメンが有力。もう1度レギュラーの座を奪い返すべく、生え抜き9年目が若手のようにがむしゃらなアピールを狙う。

 関口の口調が熱を帯びた。「すべては自分に返ってくること。プロである以上出てなんぼだし、途中から出て結果を残しても意味がない。そこで納得したら終わりだと思ってるんで」。4月は3試合連続ゴールを決めるなど絶好調だったが、5月の名古屋戦で左膝を痛めてから状況が一変した。1カ月を超える離脱を経て復帰するも今度は右太ももを肉離れ。名古屋戦の後、リーグでの先発は8月11日の札幌戦のみとなっている。

 開幕時に務めていた左サイドには梁、昨季の主戦場だった右サイドには太田が定着。スーパーサブ起用が続く中でも、わずか10分間の出場となった8月25日の大宮戦で松下の得点をアシストするなど随所で存在感を示してきた。ただ、持ち味の運動量を生かすためにも、先発としてタイトルへ突き進むチームに貢献したい思いは強い。「自分のストロングポイントは自分が一番理解している」と、現状に甘んじるつもりはない。

 この日の紅白戦では、レギュラー組の左サイドでプレー。札幌戦以来となる公式戦スタメンへ「自分の力を示すところでもあると思う。ゴール前のいいポジションに入ることが重要」と、得点へのイメージを膨らませた。さらに「やりたいようにやろうと思う。その中でチームがうまく絡んでいければ」というエゴイスティックに聞こえる言葉が出るのも、生え抜き9年目で仙台のサッカーが体に染み付いているからこそ。がむしゃらに、ひた向きに、出番に飢えた自らの思いをピッチで表現する。【亀山泰宏】