仙台FW柳沢敦(35)が、優勝戦線を戦い抜く心構えを説いた。15日の広島戦に敗れて2位に転落したチームにあって、数少ないJの頂点を知る男。残り9戦、これまで以上に重圧のかかる戦いが予想されるが「やってきたことを変える必要はない。(終盤で優勝を狙える)この状況にいるのも自分たちの積み重ねの結果だし、それが間違っていなかったということ。楽しみながらやればいい」と、今季の攻撃的スタイルを貫く重要性を強調した。

 5度のリーグ制覇を果たした鹿島時代を「優勝争いでも自分たちのサッカーを見失わず、勝ちきれるところがあった」と振り返る。名門クラブ特有の強みと思いきや、それは違うという。「いつも言われてきたのは、自分たち次第ということ。周りに惑わされず、最後まで信じ抜く。つかめるかつかめないかは、自分たちの中にある」。さらに「去年の柏だって、J2から上がっていきなりでしょ?

 (優勝争いの)経験がないから勝てないということはない」と断言した。

 広島戦では途中出場から左足で強烈なシュートを放ち、見せ場をつくった。「代わりに入った選手がチームを勢いづけないと」と役割は認識している。次節22日の神戸戦はホームでもあり、負けるわけにはいかない。「サポーターが(勝てる)雰囲気をつくってくれることに感謝して、残りのホームで勝ち点を伸ばす」。勝者のメンタリティーを知り尽くす主将は、頼もしく約束した。【亀山泰宏】