左足手術で長期離脱していたG大阪の元日本代表FW宇佐美貴史(21)が、次節26日の川崎F戦(アウェー)で強行先発する可能性が出てきた。22日、大阪・堺市内で約2カ月ぶりに全体練習に合流。いきなり紅白戦までこなした。2月19日の練習で左腓骨(ひこつ)筋腱(けん)を脱臼。この日復帰したばかりにもかかわらず、長谷川監督は「時間は限定される」と前置きした上で、状態次第で先発の可能性まで示唆した。

 復帰へのゴーサインは、ピッチでのやりとりにあった。宇佐美が右足シュートを放った時だ。長谷川監督が冗談交じりで言った。

 「お前、(負傷した)左足じゃ、シュート打てないんじゃないかのか?」

 宇佐美はすぐに答えた。

 「いや。(とっさの)判断で左では打たなかっただけです。問題ないです」

 普段は故障選手の起用には慎重な長谷川監督だが、大逆転での日本代表復帰を目指す宇佐美の背中を後押しする。指揮官の思いを伝え聞いた宇佐美も、闘志を抑えきれない様子だった。

 「冷静に考えればW杯のメンバーに入るのは、もう無理。でも、どこかで諦めきれていないですし、諦めるはずもない。(5月12日の)メンバー発表まで5試合あるんで、圧倒的なパフォーマンスを出せれば、もしかするかも知れない」

 自身の22歳の誕生日となる5月6日は蘭夫人との特別な日。「結婚記念日なんでね」。そう言い残し、奇跡のW杯メンバー入りを夫人へのプレゼントにすることを約束した。【益子浩一】