<J1:C大阪0-0東京>◇第19節◇9日◇ヤンマー

 東京の「テトラポッド(消波ブロック)」が決壊することは、最後までなかった。台風急接近による強風と雨。マッシモ・フィッカデンティ監督(46)が「特殊な条件下」と言う中で、最後まで耐え抜き4戦連続となる完封。しかしセットプレーを除いてペナルティーエリアの中で放ったシュートはゼロで、4連勝は逃した。MF高橋秀人(26)は「決壊はしなかった。けど不完全燃焼ではある」と、納得はしなかった。

 これで7戦連続負けなし。その間、失点はわずか1と抜群の安定感を誇る中盤の真ん中で、どっしりと構えたのは高橋。危険地帯に陣取り、進入してきた強敵FWフォルランやFW南野をことごとく封じた。前半24分に南野との球際を制すれば、2分後にはMF米本とフォルランを挟み撃ち。個々がかみ合った守備網で相手の波を消していった。

 一番警戒すべきウルグアイ代表FWを後半途中には退かせ、チームは364分間連続で失点を許していない。「動けていなかった」と高橋は物足りなさを口にするが、失点を許さなかったのは敵地で十分な収穫。派手で見栄えのいい攻撃に比べれば地味だとしても、東京の守備にはスポットライトが当たってもいい。【栗田成芳】