京都戦無敗の44番が鬼門をこじ開ける。J2札幌MF小野伸二(34)が、今日10日京都戦(札幌ドーム)で5試合連続、左MFで先発出場する。チームは2連敗中だが、小野にとって京都は過去5戦4勝1分け負けなしと相性抜群。札幌はこれまで京都戦4勝5分け14敗と苦手にしてきたが、天才MFのアイデアとゲームコントロール術を生かし、連敗ストップを狙う。

 今度こそ、サポーターにホーム初勝利を届ける。京都戦前日の9日、小野は札幌ドームのピッチに立ち、右足で強烈なFKを決めるなど、キレのある動きで好調ぶりをアピール。最後は芝の上に腰を落とし、じっくりとストレッチをして締めた。「セットプレーは一つのカギ。そういうところで点が入ればチームもリズムが出る。大事にしていきたい」と、3戦ぶり白星を頭に描いた。

 出場5戦目。ホームは2戦未勝利だけに「ファンをがっかりさせてきた。早く勝って、みんなで喜びを味わいたい」と意欲的だ。26日愛媛戦から続いていた中3日での3連戦は一段落。前節3日北九州戦からは中6日あり、疲れも取れた。「みんないい準備ができている」。プレーオフ圏6位との勝ち点差は4。ここで勢いを取り戻し、上位との差を詰める。

 小野は過去、京都戦5戦4勝1分けと負け知らず。浦和時代の98年11月7日には決勝点を奪い、清水時代の10年5月5日は同点ゴールの起点になった。相性のいい相手を前に「そろそろ点を取って、個人的にも波に乗りたい」と移籍後初ゴールへの思いを口にした。清水でJ復帰後の10年2月16日、実戦初得点を挙げたのも京都との練習試合だった。チームにとって昨年2戦とも無得点で敗れた鬼門だが、新たに加わったベテランの力で、負の連鎖を止める。

 最近2戦無得点も、攻撃改善の策はある。「真ん中ばかり続けると窮屈になる。密集を避け、得意な外を生かしながら、相手が嫌がるところを突いていけば良くなる」。合流2カ月。チームに浸透してきた小野イズムを、3度目の札幌ドームで、一気に爆発させる。【永野高輔】

 ◆札幌の京都戦戦績

 通算23試合4勝5分け14敗(ホーム3勝3分け5敗)。98年8月8日の初対戦(西京極)は2-4で敗戦、今季3月30日の前回対戦(同)は1-1ドロー。J2での勝利は07年6月2日(2-0、札幌厚別)同8月16日(3-2、西京極)11年8月21日(2-1、函館)の3試合だけで、京都に勝ったシーズンはJ1に昇格している。