目の前の試合に全力を尽くせ!

 J2札幌のバルバリッチ新監督(52)が5日、札幌・宮の沢のクラブハウスで会見を行った。現在、プレーオフ圏6位大分とは勝ち点7差にいるが、指揮官は「勝ち点の計算はしない。目の前の試合を、すべて勝つことだけを考える」と、全勝での同圏入りを宣言した。残り試合数を見越した“皮算用”抜きで、13位からの逆転昇格を目指す。

 勝って勝って勝ちまくる。バルバリッチ監督が、3カ月でのミッション達成に向けたテーマを掲げた。「勝ち点を計算しながら戦うのは意味がないからしない。そんな余裕もない。目先の試合、すべて勝つ。あとさき考えずに、目の前の試合に全力を尽くすこと。それがプレーオフという結果につながる」。今日6日の長崎戦を含め、残り13戦全勝なら勝ち点は昨季の3位に相当する77に到達する。なかなか難しい目標だが「勝てば自信が出る。6位以内に入るには勝ち続けることが必要な条件になるので」と淡々と話した。

 達成への青写真は描いてきた。チーム改革に向けたポイントとしては「よりスピーディーに。オフザボール、3人目の動きの質を上げる。全員での組織的守備」と3つを挙げた。クラブから要請されている攻撃面の速さを増す作業が最優先。さらに課題となっている得点を上げるための具体的な策についても「2列目から背後を狙う動きのタイミングや、連係を高めたい」と明確に説明した。

 ロジカルな部分だけではなく、心に訴える手法も用いた。この日の練習前、クラブハウス内であいさつをした際、選手全員に握手をして回り「まずは長崎戦、全力で頑張ってくれ」と鼓舞。練習を視察した後は「やる気にあふれていて非常にいいムード。多くの選手がインテリジェンスがある。高い技術を持っているのは良いこと」とチームづくりへの手応えを口にした。

 今日6日の長崎戦に関しては特別なリクエストはせず、これから共闘するコーチ陣に託し、明日7日の練習から、グラウンドに立つ。「勝者のメンタルを植え付けることに、こだわりたい。すべて魔法のようには変わらない。日々のトレーニングから意識付けることが大事」。8、9日の2連休予定が8日の1日オフに短縮と、早くも“バルバイズム”発動。徹底した指導で、短期間でのてこ入れにつなげる。【永野高輔】