J2札幌のバルバリッチ監督(52)が、セットプレー集中講座で2位松本の足をすくう。指揮官は26日、札幌ドームサブグラウンドでの練習で、試合2日前としては異例のセットプレー確認を実施した。通常、試合前日に確認していたが、セットプレーが得意な松本反町康治監督(50)との対戦を控え、1日前倒し。今日27日、松本市内での直前練習で2日連続、実施する。相手の長所を封じ、2連勝を目指す。

 敵の特長を踏まえ、準備方法も毎度、変化をつけるのがバルバ流だ。長時間の陸路移動を考慮して、今回の遠征は前々日移動。出発のこの日は、バスが出る45分前まで、入念にセットプレーを確認した。着替えの時間が減り、ファンサービスに追われた都倉と石井が、クラブ広報に追い立てられ、猛ダッシュでバスに乗り込むという状況だった。

 そこまでやるには意味がある。勝つためには、まず敵を知ること。指揮官は反町監督について「相手のセットプレーのパターンを見れば、どういう指導者かは分かる」と言った。反町監督とは愛媛時代に4度対戦し1勝3分け無敗。4戦2失点と安定した守備で、セットプレー好きの知将を困らせてきた。今回も念入りな対策で相手をじらし、勝ち点をもぎ取る算段だ。

 松本の最近5試合の5得点のうち、4点がセットプレーとカウンター絡みとあり、この日の練習ではカウンター対応も仕込んだ。反町松本の2つの武器を封じ、主導権を奪いながら勝機を見いだす。【永野高輔】