“フレグランス大作戦”で11月攻勢をかける。J2札幌が、Jクラブでは異例の、オリジナル香水を販売することが1日、分かった。リーグ大詰めの最終11月から限定5000個を販売する。芳しい香りで札幌ドーム内を充満させることで、再訪率を上げるのが狙い。リピーターによる観衆動員増で、プレーオフ進出につなげる。

 札幌が新たな手法で、観客動員増を目指す。クラブ初、Jリーグでも異例の新プランは、人の嗅覚に訴える。クラブ担当者は「札幌ドームはJでも珍しい屋根があるスタジアム。この空間を生かすいい方法がないかと考えた。あのドームの中を、また来たくなるような雰囲気にすることができれば」と話した。

 現在、クラブでは化粧品業者と連携し、香水市場で最も人気がある香りのデータを調査している段階。さらに瓶の大きさや形状についても、より流行に近い物にしようと研究中。香りがきつすぎると嫌悪感を催す人もいる。それだけに「今、最も多くの人が、かぎたいと思う香りの種類や質にすること。そこがポイント」と同担当者。観客全員が同じ香りを発しながら、気持ちを高ぶらせ応援できるムードをつくるのが「フレグランス大作戦」の肝だ。

 発売は、チームがプレーオフ進出を目指し、勝負をかける11月を予定。前節は2位松本を下し2連勝。プレーオフ圏まで勝ち点3差まで迫った。このまま好調をキープすれば、11月のホーム開催となる9日讃岐戦、同23日の最終磐田戦は同圏争いの大きなターニングポイントになる。注目度も高く、さらに心地よい香りも加われば、昇格がかかった11年最終東京戦の3万9243人超えも夢ではない。

 香水効果で集まった大観衆がチームを後押しして、プレーオフに進出し、さらに4位に入れば30日にプレーオフ準決勝を札幌ドームで開催できる。その間、観戦したファンが日常生活でも使用し「コンサコロン」として街中で認知されれば、プレーオフは再訪者だけでなく、新たな観客開拓のきっかけにもなる。

 シーズン後も同担当者は「クリスマスやバレンタイン商戦にも絡められたら」と、年末以降のグッズ販売にも期待する。個数限定発売のため、J1昇格が決まれば、験のいい「香り」としてプレミアが付くことにもなりそうだ。