J2札幌が甲府のインドネシア代表MFイルファン・バフディム(26)を獲得することが21日、分かった。イルファンは今季、Jリーグ初のインドネシア人選手として5月のナビスコ杯に出場。母国では「インドネシアのメッシ」と呼ばれる人気者で、東南アジア提携国枠で獲得し、強化と同時に、現地からの集客増や、放映料収入、グッズ販売などの波及効果も狙う。

 「第3のレ・コン・ビン」が決まった。イルファンは、今季限りで甲府との契約が満了。東南アジア視察中の三上大勝GM(43)が詰めの交渉を行い、合意に至った。同GMが帰国する今日22日に、正式発表となる。13年のベトナム人FWビン、今季のインドネシア人MFステファノに続き、3年連続の東南アジア人選手獲得となる。

 現地での人気は抜群で、甲府加入時のツイッターのフォロワー数は400万件超。タイ・チョンブリ時代にはユニホームが4000枚売れたこともある。来季強化費は約5億円を見込んでいるが、J1昇格と定着には、強化費増が不可欠。グッズ販売や放映料収入など多角的にイルファン資金を蓄え、強化と経営改善のダブル効果を狙う。

 武器はドリブルからのパスやミドルシュート。オランダ・アヤックスの下部組織に所属したこともあり、基本技術はしっかりしている。本職のトップ下は小野、内村、前田ら選手層が厚いポジションだが、既にJ1のレベルを経験しており、J2ならさらに能力を発揮する可能性はある。

 ◆イルファン・バフディム(イルファン・ハリース・バフディム)1988年8月11日、オランダ・アムステルダム生まれ。父はアラブ系インドネシア人、母はオランダ人。07年にオランダのユトレヒトでプロデビュー。10年に母国インドネシア・プレミアリーグのプルセマ・マラン入団。同年からインドネシア代表入り。タイ・チョンブリから14年にJ1甲府入り。リーグ戦出場はなかったが、5月21日のナビスコ杯徳島戦でJデビュー。172センチ、66キロ。利き足は右。