ヤングボーイズ(スイス)の久保裕也がホームで行われたシャフタル・ドネツク(ウクライナ)戦で2得点し、最終予選進出の原動力となった。

 クラブの方針でリオデジャネイロ五輪に不参加となったが「落ち込んでいると思われたくなかったし、いつも以上に気合が入っていた」と躍動した。

 2トップの一角で出場し、第1戦での劣勢から救った。後半9分、左クロスを押し込む。相手の目がボールに向いた隙を逃さなかった。同15分には、右足シュートでGKの左側を射抜いた。「苦しい展開だったが、チャンスを生かせて良かった」と胸を張った。この2点で2戦合計2-2となり、延長へ。久保はフル出場し、PK戦でも成功した。

 五輪は特別な舞台だった。年代別代表では最後の大会。「ずっと一緒にやってきたメンバーだし、どうしても出たい思いがあった」と明かす。それでも、プロとして最高の結果で応え、ブラジルへエールを届けた。

 スイスに渡って4季目。試合後には地元記者の取材にドイツ語で応じるなど、成長の跡はピッチ内外で見える。「もう切り替えるしかない。このまま続けたい」と先を見据えた。