FW原口元気(25)が、W杯切符がかかる2017年へ好感触を得た。

 原口はベンチスタートとなったが、1-2とリードされた後半21分から出場。右MFに入ると、28分に絶好機を演出した。右サイドのスペースへと飛び出すと、そこからゴール前へクロスを送った。中央のMFシュトッカーは触れられなかったが、ファーに流れたボールをフリーのFWイビセビッチがシュート。しかしシュートが甘く、GKにキャッチされた。後半最大のチャンスを逃したヘルタは、43分に失点し、結局1-3と敗れた。

 原口は「あれが入っていれば2-2でたぶん終わったと思うんで。まぁ、でも“たられば”言っても仕方ないんで。次、チャンスがあると思うんで」。ウインターブレーク明けの初戦は黒星となったが「まぁ調子は戻ったのでポジティブに。自分の調子は12月、11月でちょっと落ちてたところが、休んだりキャンプを挟んで上がってきたので。すごいポジティブですけどね、僕は」と話した。

 ブンデスリーガで肉体改造に成功した昨年、日本代表で原口が覚醒した。W杯アジア最終予選で9月のタイ戦を皮切りに、イラク、オーストラリア、サウジアラビア戦と4試合連続ゴール。最終予選ではカズ、呂比須の3試合連続を超え、日本代表史上初めての記録だった。ただ、過密日程の裏でコンディションは低下していた。「どんどん体も心も疲れていくので。それを本当だったら1日とかのオフで、すっきりさせなきゃいけないんですけど、それがなかなか…、苦手で。やっぱりサッカーのことをシーズン中はすごく考えてしまうので。まぁ10日くらいの休みがあるとだいぶ変わるというのは、僕の経験上わかってて。でもそれがシーズン中にできるわけじゃないので」。そんな中、ウインターブレークを上手に活用し、心身ともにすっきりした状態だと言う。

 この日敗れたが現在リーグ5位、欧州CL圏内の3位ホッフェンハイムとは勝ち点1差だ。ヘルタでの活躍はもちろんだが、W杯ロシア大会出場権がかかる今年は日本代表でのさらなる飛躍が求められる。原口は「このフレッシュな状態が少しでも長く続くようにできれば、去年の前半戦のようなパフォーマンスができると思うんで。そしたら一歩上に行けるかなと」。今後への期待がふくらむ、力強い言葉が飛び出した。(鈴木智貴通信員)