マンチェスターUからドルトムントへの復帰が決定的になったMF香川真司(25)が、いきなり勝負の3連戦を迎える。30日までに年俸などの諸条件で基本合意。依然としてクラブ間交渉は続いており、完全移籍の4年契約になる見通しだ。アギーレ監督の初陣となる9月の代表合宿を免除された香川は、正式決定後すぐにドルトムントに合流する予定になっている。

 3シーズンぶりのドルトムント復帰戦は9月13日のリーグ・フライブルク戦が濃厚だ。中2日で、欧州チャンピオンズリーグ(CL)の今季初戦となるアーセナル戦を控える。その後も、中4日で21日に岡崎との日本人対決となるリーグ・マインツ戦がある。特にアーセナル戦は欧州CLの決勝トーナメント進出を占う重要な一戦だ。これまで香川は「試合に出続けないといけない。試合をこなすことで成長していく」と話している。復帰後すぐ9日間で3試合の過密日程。マンUで失われた試合感覚を取り戻すには最高の環境が整った。

 香川が在籍した2年間で、リーグ2連覇を達成したこともあり、ドルトムントも歓迎ムードだ。香川がメディカルチェックに訪れるとみられる病院には大勢の報道陣が詰めかけた。

 移籍決定は秒読みに入ったが、日本時間30日までに交渉はまとまらなかった。地元のデアベステン紙電子版は「両クラブの弁護士、取締役、代理人は交渉を続けている。日曜日以前の発表はなさそう」と伝えた。ルールナッハリヒテン紙は公式ツイッターで「香川はまだマンチェスターにおり、クラブとの契約解除の書類にサインしていない」とつぶやいた。

 ◆現在のドルトムント

 欧州屈指の点取り屋ポーランド代表FWレバンドフスキがライバルBミュンヘンに移籍。後釜にセリエA得点王のインモビレ、コロンビア代表FWラモスを獲得したが、攻撃力低下は否めない。また現在はケガ人も多く、復帰が近いとみられるMFギュンドガンは背中を痛めて1年以上、試合に出場していない。控えの層が薄く、開幕戦のレーバークーゼン戦ではドルトムントのU-23チームでプレーしていた18歳のMF丸岡を急きょベンチ入りさせたほど。香川の復帰は攻撃面でも、中盤の層を厚くするという意味でも、クロップ監督にとって朗報といえる。