[ 2014年2月9日9時26分

 紙面から ]マスク姿で練習する羽生(共同)

 フィギュアスケート代表の羽生結弦(19=ANA)が8日、「トロント流」で13日からの個人戦へ動きだした。練習リンクに姿を現した時からマスク姿。そのままリンクに足を踏み入れ、冒頭から約15分間を装着したままで滑った。「肺を慣らすためです。(昨日)1日オフだったので体力も落ちているので」と説明。練習拠点のカナダ・トロントでは「オフ明けはいつもやっていること」で、ソチでも変わらぬ調整を貫いた。

 6日の団体戦では男子ショートプログラム(SP)に起用され、チャン、プルシェンコら強豪がそろうなかで堂々の1位。4回転トーループに始まり、スピン、ステップとすべてハイレベルな演技で個人戦での金メダルの期待を抱かせた。この日の練習では、オフ明けでジャンプの失敗に顔をしかめる姿もあったが、精力的に体を動かし、本番へ照準を合わせた。

 前日7日は完全オフにあてた。マッサージを受け、日本食の鍋を食べ、好きな音楽を聴いてリラックス。夜には開会式をテレビ観戦し、その豪華さに「他の試合のような感覚もありましたけど、選手村から花火が見えて、一緒なんだなと。複雑な感じでした」と受け止め、眠りについた。

 そんな「充実した1日」を経て向かう個人戦まではあと5日。8、9日は団体戦に臨む日本選手へ、リンクサイドから「精いっぱい応援したい」という。そんな仲間の奮闘もまた刺激に、再び勝負の時へと確実に歩を進める。【阿部健吾】