ロシアのムトコ・スポーツ相は１７日、国際陸連が組織的なドーピングでロシア陸連の資格停止処分継続を決めたことに対し、予想通りとした上で「対応する」と述べた。ペスコフ大統領報道官はリオデジャネイロ五輪にロシア人選手が出場できるよう法的に可能なことは全てやると述べており、法的措置の検討に入るもようだ。タス通信が伝えた。

　ロシア・スポーツ省は処分継続に「極めて失望した」との声明を発表。国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）に対し、国際陸連の決定を再考するよう呼び掛けた。

　陸上女子棒高跳びの世界記録保持者、ロシアのイシンバエワ選手は、決定は人権侵害として提訴する意向を示した上で、国籍に基づくロシア人差別だと主張した。

　ロシアのプーチン大統領は１７日、「責任は（禁止薬物を使った）個人にある」とし、集団処罰をすべきではないと主張、８月のリオデジャネイロ五輪にロシア陸連の参加を認めるよう求めた。ロシア北西部サンクトペテルブルクで語った。

　プーチン氏は、ロシアが国家レベルで選手のドーピングに関与したことはないとも訴えた。ドーピングはロシアだけの問題ではないとし、この問題を反ロシア的な道具として「政治化すべきではない」と指摘。ロシア政府はドーピング問題で国際機関と協力してきたし、今後も協力すると強調した。