リオデジャネイロ五輪の女子マラソン代表田中智美(28=第一生命)が「イチロー流」で金メダルを勝ち取る。17日、都内で練習を公開。打倒アフリカ勢へ、日米通算でメジャー最多安打を上回ったイチローのような効率の良い動きを追求する。「一番きれいな色を目指して頑張りたい」とイチローと同じ世界のトップに立つ決意を示した。

 高地に住み、体形も違うアフリカ勢と同じ練習をしていても追いつけない。第一生命の山下佐知子監督(51)は「走る練習だけでなく、動きやすい体を作り、効率の良さで、その差をうめる。イチロー選手のように小さなことからコツコツやるしかない」と話す。現在は独自の体幹トレで、ブレーキ動作の少ない走りを探っている。

 他競技の研究も惜しまない。田中と山下監督は13日までの米高地合宿中にヤンキースの試合を観戦。国内でもトライアスロンの大会を観戦したり、Jリーグ川崎Fの練習を見学して、体の動きの参考にする。山下監督は92年バルセロナ大会4位。師弟悲願のメダル獲得へ、田中は「ここから厳しい練習が始まる。覚悟はできています」と、マラソンでも得意とするラストスパートを掛けていく。【田口潤】