<陸上:アジア選手権>◇3日目◇9日◇神戸ユニバー記念競技場

 男子400メートル障害は、精神面が勝負を分けた。1度目のスタートで、日本選手権優勝の岸本鷹幸(21=法大)がフライングのため失格。3度目のスタートで成立したレースは、残る日本勢2人の争いとなった。

 ゴールに最初に飛び込んだのは、同選手権3位だった安部孝駿(19=中京大)だった。序盤から飛ばして、最後はハードルをなぎ倒しながら、ただ1人50秒を切る49秒64。「岸本さんがフライングして残念だったけど、そこで気にしちゃったら負けだと思った。後半は何歩で飛んでいたかも覚えてないし、周りが見えてなかった」。

 一方で、同選手権2位だった今関雄太(23=チームアイマ)は50秒22で2位だった。「2回のフライングのうち、1発目が岸本だったので、動揺がなかったと言ったらウソになる。ただ、そこで冷静に集中を保てた安部との差が、1位と2位の差になってしまった」と悔やんでいた。