<陸上:全日本実業団対抗>◇最終日◇23日◇福岡・博多の森陸上競技場

 アテネ五輪1600メートルリレーで4位に入賞したメンバーの1人、山口有希(28=大阪ガス)が引退した。今大会は400メートルで2位。アテネで一緒にリレーを走った小坂田淳コーチらから花束を受けとり競技場に別れを告げた。

 山口は400メートルで2003年に45秒18のジュニア日本記録をマーク。翌年のアテネ五輪は1600メートルリレーと400メートルに出場した。

 日本人2人目の44秒台が期待されたがその後は個人のタイムを伸ばせず、リレーの五輪代表にも入れなくなった。「日本選手権後の3カ月の練習を思えばスカッとしていますが、競技人生全体を見たらスカッとしていません」

 どちらかというと後半型だった。世界で戦うために前半型に変え、そのためにスピードを追求した。北京五輪前などそれが成功しかけたこともあったが、大事なところでケガを繰り返した。

 会社に残って仕事を続けるが「陸上競技の楽しさを伝えたい。地域の活動などでも協力したい」と、普及活動にも取り組んでいく。

 女子200メートル前日本記録保持者の信岡沙希重(35=ミズノ)と、円盤投げとハンマー投げの2種目で日本記録を持つ室伏由佳(35=ミズノ)も、今大会を最後に一線を退く。