<岐阜国体:陸上>◇7日目◇5日◇岐阜長良川競技場

 高校2年生の桐生祥秀(京都・洛南)が、ハイレベルな少年男子A100メートルを制した。決勝では10秒21をマークし、山県亮太(慶大)と大瀬戸一馬(福岡・小倉東高)の持っていた10秒23のジュニア日本記録を更新。「タイムを見て、ウソじゃないかと思った。世界と戦った人(山県)の記録を超えて、素直にうれしいです」と丸刈り頭でニッコリした。

 V候補最有力だった大瀬戸は右脚痛もあって予選敗退。決勝では大瀬戸のライバル橋元晃志(鹿児島・川薩清修館高3年)を抑え、トップで駆け抜けた。「スタートしてすぐ上を向く癖があるので、30~40メートルまで下を向いてました。持ち味は中盤あたりの速さだと思う」と初々しく話した。

 滋賀・彦根南中から陸上競技を始め、すぐに頭角を現した。腰痛や左太腿痛に悩まされてきたが、ようやくケガとも決別。175センチ、66キロの体を磨いてタイムを上げてきた。お笑いコンビ麒麟の田村裕に似た「癒やし系」の笑みを浮かべながら「まだこれで終わりじゃないので。まだ2年生なので、3年になったら100も200も高校新を狙いたいです」と飛躍を誓った。