<陸上:ダイヤモンドリーグ第3戦ニューヨーク大会>◇25日◇ニューヨーク

 女子走り高跳びは2009年世界陸上金メダリストのブランカ・ブラシッチ(29=クロアチア)が、1メートル94の大会タイ記録で優勝した。ロンドン五輪銀メダルのブリギット・バーレット(22=米国)らを抑えて1年8カ月ぶりの復帰戦を飾った。

 アキレスけんの痛みに悩まされていたブラシッチは、2011年のテグ世界陸上で2位と敗れ、昨年1月には手術に踏み切った。五輪イヤーはまったく試合に出られず、リハビリトレーニングにひたすら取り組んだ。

 大会前は「準備はできている」と強気の姿勢を崩さなかったが、競技後には「試合に対して怖さはありました。1メートル90を練習で跳んでいたわけではありませんでしたし、痛みも完全になくなったわけではありません」と、不安を持って臨んでいたことを明かした。

 気象条件に恵まれず記録は全体的に低調な大会だったが、ブラシッチは大会タイをクリア。ロングタイツ姿での登場だったが、バーをクリアするとマットの上で腰を振って踊るパフォーマンスは健在だった。

 2009年年にクリアした2メートル08は、1987年にマークされた世界記録に1センチと迫るもの。192センチの長身が武器で、世界記録更新候補の1番手と期待されていた。ブラシッチは「今日はまだ、踏み切りのときに右脚をうまく使えませんでした。でも、あと少しの忍耐で解決できると思います。今日も良いジャンプが何本かありました」と試合を振り返った。