陸上のダイヤモンドリーグ第6戦のビスレットゲームが13日、ノルウェーの首都オスロで開催される。100メートルと200メートルの世界記録保持者で、両種目で五輪2連勝のウサイン・ボルト(26=ジャマイカ)が200メートルにエントリーしている。そのほかにもロンドン五輪個人種目金メダリストが4人出場する。

 ボルトは7日のローマ大会100メートルで9秒96、ジャスティン・ガトリン(31=米国)に0・01秒差の2位と敗れた。スタートでリードを奪ったが、得意のはずの後半で胸ひとつガトリンに先行された。「スタートが速かったことが、後半で伸びなかった原因かもしれない。これからコーチとビデオを見て対策を考えるよ」。

 オスロの200メートルはライバル不在。勝負よりも自身の走りに神経を注ぐことができる。それでも19秒82の大会記録は更新したいところだ。

 ボルト以外のロンドン五輪金メダリストは男子3000メートル障害のエゼキエル・ケンボイ(31=ケニア)、やり投げのカショーン・ウォルコット(20=トリニダード・トバゴ)、女子5000メートルのメセレット・デファー(29=エチオピア)、そして女子走り高跳びのアンナ・チチェロワ(30=ロシア)。

 女子走り高跳びでは2007年と09年の世界陸上金メダリスト、ブランカ・ブラシッチ(29=クロアチア)が復活。5月のニューヨーク大会で優勝し、ローマ大会でもチチェロワに3センチ差の3位と健闘した。新旧女王対決は、さらに接戦となることが予想される。

 男子3000メートル障害は1日の米国ユージーン大会のフィニッシュ直前でハプニングが生じた。追い上げられたケンボイが、斜行してコンシスラス・キプルト(18=ケニア)の進路を妨害し、2人が激しく接触した。キプルトが優勝し、ケンボイは失格となった。

 五輪金メダル2個の31歳と、今季ダイヤモンドリーグ2勝の18歳。因縁の2人が再対決する。◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する最高カテゴリーの競技会シリーズ。今季はドーハ大会を皮切りに9月のブリュッセル大会まで全14戦が開催される。各大会の種目別優勝賞金は1万ドル(2位6000ドル~8位1000ドル)。各大会のポイント合計で争われる年間優勝者には4万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝。緊張感あるレースが次々に行われる。また、オリンピックや世界陸上のように1国3人という出場人数の制限がない。ジャマイカ、アメリカ勢がそろう短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目などは、オリンピックや世界陸上よりも激しい戦いになる。