<陸上:全日本実業団対抗選手権>◇最終日◇22日◇埼玉・熊谷スポーツ公園陸上競技場

 男子棒高跳びは日本記録(5メートル83)保持者の沢野大地(33=富士通)が5メートル50で優勝した。

 8月のモスクワ世界陸上にともに出場した荻田大樹(25=ミズノ)らを抑えた。世界陸上は予選落ちに終わったが、帰国後は練習で良い動きができていたという。「それが1週間前にズレ始めて、今日のアップでもバランスが悪く、5メートル30を跳べないかもしれないと思ったくらいです。1本跳ぶごとによくなってきて、なんとか5メートル50を跳ぶことができました。でも、5メートル63の大会新は最低でも跳びたかった」。

 実業団登録をしなかった時期が長く、今回が9年ぶり2回目の優勝となる。2004年は日本記録を何度も更新していた時期で国内では無敵状態。今はモスクワ世界陸上6位入賞の山本聖途(21=中京大)や荻田という年下のライバルが台頭している。

 「この大会で勝ち方を取り戻せたと思う。若い選手に元気があるので刺激をもらいながら、ベテランらしい跳躍をしたい。次に日本選手権に勝てば10回目なので、それを達成して来年のアジア大会や2年後の北京世界陸上につなげたい」ベテランがまだまだ意気盛んなところを見せた。