秋のワールド・マラソン・メジャース第3戦のニューヨークシティ・マラソンに、日本から川内優輝(26=埼玉県庁)、今井正人(29=トヨタ自動車九州)、重友梨佐(26=天満屋)の3人が出場する。

 海外マラソンにも多数出場している川内だが、東京マラソン以外のワールド・マラソン・メジャースは初出場。「川内はレベルの低いレースばかり走っている、と海外のサイトに書かれていた。そうじゃないところを見せたい」と意気込む。

 12月の福岡国際マラソンで来年のアジア大会代表権を取るのが目下の最大目標。起伏の多いニューヨークのコースで2時間10分切りを達成すれば福岡で2時間7分台も可能になる。

 元祖“山の神”の今井は2時間10分がなかなか切れず、五輪や世界陸上の代表になれていない。起伏のあるコースはまさに今井向き。自身初のサブテンを達成したい。

 重友はロンドン五輪以来のマラソンとなった8月の北海道は2時間51分55秒で12位と惨敗したが、10月27日の実業団女子駅伝西日本大会では好走した。「2時間25分くらい」が目標だが、ニューヨークでそのタイムを出せば自己記録の2時間23分23秒に匹敵する価値がある。

 トラック種目の全国大会は終了したが、いくつかの競技会が行われる。

 今シーズンの短距離を沸かせた桐生祥秀(17=洛南高)は、11月2日のエコパトラックゲームズ男子400メートルにエントリーした。

 100メートル9秒台へのトレーニングの一環か、と外野は考えがちだが、高校生のうちに400メートルを何秒で走れるか知っておきたい、という素朴な思いが出場動機だという。

 この種目の高校トップ選手は46秒台前半で走る。桐生も高校2年時のインターハイは4×400メートルリレーに出場した。完全なショートスプリンターである桐生がどんなタイムで走るか、関係者も注目している。

 11月4日の西日本カーニバルには村上幸史(33=スズキ浜松AC)、ディーン元気(21=早大)、海老原有希(28=スズキ浜松AC)ら、男女やり投げのロンドン五輪代表が出場する。

 10月27日に長崎市をスタートしたグランツール九州2013は、11月3日に福岡市にフィニッシュする。現在の大会名称となった一昨年からは8日間に短縮されたが、それ以前は九州一周駅伝の名称で行われ10日間で九州を周回する壮大な駅伝だった。62回の歴史を重ねてきた大会だが今年を最後に幕を閉じる。

 1人の選手が4回まで出場することも可能で(2011年以降は3回まで)、トップ選手はトレーニングの一環として出場し、タフさを身につけた。マラソンの1968年メキシコ五輪銀メダルの君原健二、1992年バルセロナ五輪銀メダルの森下広一、日本記録保持者の高岡寿成ら数々の名選手が健脚を競った。北京五輪金メダルのサムエル・ワンジル(ケニア。当時トヨタ自動車九州)も区間記録保持者として名を残している。

 今年は前田和浩(32=九電工)、堀端宏行(26=旭化成)らの日本代表経験選手をはじめ、この冬の初マラソンが注目されている渡辺竜二(24=トヨタ自動車九州)、丸山文裕(23=旭化成)、木滑良(22=三菱重工長崎)らが最後の大会を盛り上げている。【11月前半の主な陸上競技大会】11月2日:エコパトラックゲームズ(静岡県袋井)11月3日:’13彩の国

 実業団駅伝(埼玉県庁~熊谷)11月3日:全日本大学駅伝(名古屋~伊勢)11月3日:ニューヨークシティ・マラソン(米国ニューヨークシティ)~11月3日:グランツール九州11月4日:西日本カーニバル(北九州)