<全国都道府県対抗女子駅伝>◇15日◇京都・西京極陸上競技場発着(9区間=42・195キロ)

 昨年11月の横浜国際女子マラソンで優勝した木崎良子(26=ダイハツ)が、ロンドン五輪代表へ猛アピールした。大阪の1区(6キロ)で出場すると、力強いラストスパートで後続を突き放して区間賞を獲得。大阪の19年ぶりの優勝へ貢献した。マラソン代表の決定は29日の大阪国際や3月の名古屋ウィメンズの結果待ち。「全国放送なので下手な走りはできない」と奮起しての快走だった。

 木崎は序盤から先頭集団を引っ張り、ラスト200メートルでスパートした。残り100メートルでさらにギアを入れて加速。後続に2秒差つける区間賞だ。「自信のあるラスト100になったら出ようと思っていました」と声を弾ませた。

 都大路で意識していたのは、目の前のカメラだった。横浜国際では尾崎好美(第一生命)とのデッドヒートを制してマラソン初優勝。ロンドン五輪の切符争いを1歩リードしている。「全国放送なのでヘタな走りをしたら選考に影響するかなって思ってました」。

 選考レースの横浜を気温24度の悪条件の中で制したが、記録(2時間26分32秒)が十分とは言えず、いまだ「内定」の通知はない。29日の大阪国際には実力者の野口みずきと福士加代子が走り、3月には名古屋ウィメンズもある。「これから強い選手がどんどん出てくる。待つしかないですから」。限られたレースで好印象を与えるしかない。

 本来なら休養時期。左太もも痛や座骨神経痛を抱えながら快走した。故郷京都で出場した昨年に続き、この大会は出場6度中5度目の優勝。「持ってるな、と思いましたね」。2月から宮崎合宿などで本格的に練習再開し、3月にロンドンへコースの下見に行く予定。アピール十分の走りで木崎の五輪イヤーが幕を開けた。【近間康隆】

 ◆女子マラソンのロンドン五輪代表選考

 昨年の世界選手権と横浜国際、今月29日の大阪国際、3月の名古屋ウィメンズ(旧名古屋国際)が対象レース。3人が選ばれる。世界選手権はメダルを獲得した最上位者が内定だったが、赤羽有紀子(ホクレン)の5位が最高。横浜国際は木崎良子(ダイハツ)が2時間26分32秒で優勝して1歩リードした

 ◆木崎良子(きざき・りょうこ)

 1985年(昭60)6月21日、京都・与謝野町生まれ。佛教大では07年ユニバーシアード1万メートルで銀メダル。08年ダイハツ入りし、10年全日本実業団1万メートルで優勝。初マラソンだった10年大阪国際は6位、昨年の大阪国際は5位、3度目だった横浜国際で優勝した。家族は順大で箱根ランナーだった父和夫さん(57)と母安子さん(53)、兄、姉。157センチ、46キロ。