<世界陸上>◇29日◇男子ハンマー投げ決勝◇韓国・大邱スタジアム

 アテネ五輪王者の室伏広治(36=ミズノ)が、世界陸上も初制覇した。1投目に79メートル72の今季自己ベストを出しトップに立つと、2投目に81メートル03、そして3投目に81メートル24と記録を伸ばし続け、後続の追い上げを振り切った。これで室伏は、来年のロンドン五輪代表に決まった。

 銀メダルは最終6投目に81メートル18を出し今季15戦14勝だったK・パルシュ(29=ハンガリー)、銅メダルは2投目に79メートル39を出した北京五輪&前回大会覇者プリモジェ・コズムス(31=スロベニア)だった。

 世界陸上の日本人金メダリストは、男子マラソンの谷口浩美(91年)女子マラソンの浅利純子(93年)鈴木博美(97年)に続いて4人目。マラソン以外では初の快挙だ。

 さらに室伏の、36歳と325日の金メダル獲得は、1983年のヘルシンキ大会から幕を開けた世界陸上史上、従来の記録を17日上回る男子の最年長記録となった。

 またアテネ五輪金メダリストの室伏は、世界陸上では01年大会で銀メダル、03年大会で銅メダルを獲得。3個目のメダル獲得は日本人最多で、世界を通じてもこの種目で最多タイ。すべての色をそろえたことになる。さらに、陸上競技で五輪と世界選手権で金メダル獲得は史上初だ。

 記録ずくめの世界一にも室伏は、落ち着いた口調で「ただただうれしい。前半にいい記録を出せたのが勝因。この歳までチャレンジできるのも、多くの方のサポートがあってこそ。感謝します」と喜びの言葉を出した。