第86回東京箱根間往復大学駅伝は20チームが参加し、来年1月2、3日に行われる。史上まれにみる大混戦が予想される中、優勝争いは安定感を武器に連覇を目指す東洋大を軸に、雪辱を期す駒大や2年連続2位の早大、伏兵の山梨学院大が絡む展開になりそうだ。

 今春に酒井俊幸新監督を迎えた東洋大は大学駅伝で出雲3位、全日本2位と堅実な走りを見せており、厚い選手層を誇る。山上りの5区には前回、驚異的な力走で「新・山の神」と称された2年生エース柏原竜二を再び起用し、往路で優位に立てば復路でも手堅くつなげる態勢にある。

 前回13位でシード権を失った駒大は2区に宇賀地強、5区に深津卓也と頼れる4年生を配し、前半から流れをつかむ構えだ。17年ぶりの総合優勝を狙う早大は鬼門の5区に抜てきされた次代のエース候補、八木勇樹の走りが鍵を握る。山梨学院大は3区に回ったオンディバ・コスマスの状態が気掛かりだが、勝負がもつれれば総合力の高さで浮上してくる布陣だ。

 出雲、全日本に続く大学駅伝3冠に王手をかけた日大は区間数が増えて距離も延びる箱根では選手層にやや不安が残る。花の2区で最後の勝負に挑むエース、ギタウ・ダニエル以外の選手がポイントだ。元部員の不祥事から再起をかける日体大、全日本3位と健闘した明大も優勝戦線に絡む力は十分ある。(共同)