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一貴接触めげず母国GP15位完走/F1

<F1:日本GP>◇12日◇決勝◇富士スピードウェイ(1周4・563キロ×67周)

 ウィリアムズ中嶋一貴(23)が、父との約束を果たし、初の母国GPを完走した。14番手から出た1周目、故障したクルサード(レッドブル)と接触する不運。マシン前部を破損して最後方まで下がり、目標の入賞(8位以内)はならなかった。それでもスタート直前、元F1ドライバーの父悟氏(55)からゲキを受け、15位でフィニッシュした。アロンソ(ルノー)が1時間30分21秒892で優勝し、今季2勝目を挙げた。

 フロントウイングが、回転しながら宙を舞った。1周目、1コーナーを回った直後。スタートから数秒で、入賞を目指した中嶋の夢はあっさり散った。マシン故障に見舞われたクルサードに、前をカットされて衝突。修理を余儀なくされ、19番手まで下がった。

 「どういう風にぶつかったか分からない。あの瞬間、終わったなと思いました」。だが、すぐに助言を思い出した。レース開始直前のグリッドに、父悟氏が近づいてきてささやいた言葉だった。

 悟氏 とにかく最後まで走れ。

 中嶋 戦略がアグレッシブ(攻撃的)だから、ぶつかるかも。

 悟氏 そんなこと言わずに最後まで走れ。

 91年、悟氏の現役最後の日本GPはリタイア。寂しく母国GPを終えた無念を、息子に託したのかもしれない。戦意を喪失してもおかしくない事故にも、中嶋はすぐ目標を切り替えた。「気持ちよく走れた」。接触の損傷を抱えたマシンを駆り、チェッカーにたどり着いた。父が得意とした粘りの「納豆走法」そのものだった。

 レース後の慈善イベントには、父とそろって参加。「納豆走法を受け継いでいることは自覚してます」と胸を張った。「偉いな。この成績だったら、僕は(イベントから)逃げるよ」と悟氏。日本最速のDNAを持つ2人が、ほほえましい普通の父子に戻っていた。【森本隆】

 [2008年10月13日8時16分 紙面から]


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