昨年のアジア大会で、40年ぶりに男子シングルスで金メダルを獲得した世界149位の西岡良仁(19=ヨネックス)が、全仏初挑戦で初の本戦入りを決めた。同173位のクレサル(ブラジル)に6-2、6-1の1時間24分で快勝した。西岡の4大大会本戦出場は、昨年の全米に続いて2度目。ダニエル太郎(22)もゲス(フランス)に7-5、2-6、6-3で競り勝った。これで日本男子の本戦出場は錦織圭(25)添田豪(30)伊藤竜馬(27)との5人となり、全仏5人以上は1967年(昭42)に7人が出場して以来、48年ぶりとなる。

 西岡の快勝だった。第1セット2オールから怒とうの9ゲーム連取。どのゲームも競ったが、そのほとんどをものにし、持ち味のしぶとさを発揮した。「緊張もプレッシャーもなかった。勝てると思ってやった」と、3度目のマッチポイントを決めると、両手でガッツポーズを決めた。

 今年の初めから、専属コーチを外国人に頼み、打って出るテニスを目指した。しかし、その環境が合わず、3月は初戦負けが続いた。日本協会コーチと話し合い、すべてを元に戻し「いい感触が戻ってきた」と復活した。昨年の全米でも初挑戦で予選を勝ち上がった。今大会も初の挑戦で本戦入りに「自信がすごくある。赤土も好き」と頼もしい。全米では、本戦初戦前に風邪をひき、途中棄権した嫌な思いがあるだけに「今回は風邪だけは注意したい」と周囲を笑わせた。【吉松忠弘】