7日の内閣改造で、文部科学相に1984年ロサンゼルス五輪レスリング代表でプロレスラーとしても活躍した馳浩氏(54)が就任した。

 文科省によると元五輪選手のトップは初。現五輪相の遠藤利明氏とともにスポーツ庁創設に尽力するなどスポーツ行政への思い入れは強く、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた準備でも存在感を発揮しそうだ。

 馳氏が副会長を務める日本レスリング協会の福田富昭会長は「若さにパワー、行動力がある。日本にスポーツ政策を根付かせてほしい」と期待し、高田裕司専務理事も「強化、普及に何が必要かを分かっている」と語った。

 1日に文科省の外局として発足したスポーツ庁を大臣として統括することになり、同庁の鈴木大地長官は「細かいところまで気を配られる方。心強い」と話す。同じ石川県を地盤に首相も務めた五輪組織委員会の森喜朗会長や、遠藤氏ら大会準備のキーマンにも近く、新国立競技場の建設でもスムーズな連携が期待できる。

 一方、昨年は国の立場から、選手強化費配分の主導権をめぐって日本オリンピック委員会(JOC)と対立した。JOC関係者は「戦いはあったが『現場が大切』とよく言っていたので信じたい。スポーツへの関心が高い分、予算獲得に動いてくれると思う」と希望を込めて話した。