羽生結弦(ANA)が、ショートプログラム(SP)で106.33点の世界歴代最高得点をたたき出し首位に立った。
スコアボードに得点が発表された瞬間、会場は黄色い声援が響いた。演技を終えた羽生もブライアン・オーサー・コーチと驚いた様子で笑顔を弾けさせた。
「世界最高得点? 一生懸命やった。点数より曲のジンクスというか、この曲でなかなかノーミスでいけなかったので(うっ憤を)晴らせて良かった。挑戦したかったこととか抜きにして、練習してきたことが間違いなかった。ほっとした」と溜飲を下げた。
冒頭の4回転サルコーは体が斜めになりながらも粘って見事に着氷。その後の4回転、3回転のコンビネーションジャンプ、トリプルアクセルとほぼ完璧に決めた。
金メダリストのプライドをくすぐられた。羽生の1つ前で演技した金が95点台の高得点。「第2グループの最終滑走だったので(金の演技は)見えるし『見てろよ』と思った」と闘争心を隠さなかった。
世界の頂点に立ったソチ冬季五輪でたたき出した自身のSP世界最高101.45点を4.88点も上回った。
「気持ちを切り替えて、大切なフリーで頑張りたい」。進化した羽生は28日のフリー演技に向けて「ユヅル・スマイル」を封印した。
<男子ショートプログラムの順位>
(1)羽生結弦(日本)106・33
(2)金博洋(中国)95・64
(3)無良崇人(日本)88・29
(4)マキシム・コフトゥン(ロシア)82・27
(5)ミハル・ブレジナ(チェコ)81・64