男子100キロ超級で原沢久喜(23=日本中央競馬会)が国際大会7連勝を飾り、リオデジャネイロ五輪代表争いで初めてリードを奪った。一騎打ちを繰り広げる七戸龍(27)が準決勝、3位決定戦と敗れて5位に終わるなか、5試合を勝ち抜いた。同90キロ級では西山大希(25)、女子78キロ超級では田知本愛(27)が優勝した。

 後方から追い込んできた原沢が、ゴールを目前についに先頭に立った。「自分が1つ抜け出すんだという気持ちで戦った」。内股などの立ち技に加えて寝技もさえた。決勝は七戸に準決勝で一本勝ちしたイスラエル選手を迎え、「しぶとい。指導を取りに行く戦いも必要」と割り切り、狙い通りに指導差で勝利。「自分らしい柔道と、決勝のような競った試合で勝てた。両方の収穫があった」と胸を張った。

 日本男子の井上監督が「2人が群を抜く」と語る、五輪へのマッチレース。互いの戦況が目に入る状況で力を出し切り、同監督は「原沢が1歩リードした」と明言した。14年11月から国際大会は7連続優勝で、対外国勢は30連勝と猛烈な「末脚」を見せる。

 七戸が14、15年の世界選手権で連続2位とした一方、大器の期待高かった原沢は13年に負った右肘の脱臼の後遺症などで不振が続いた。完治とともに地道に白星を重ね、昨年は4月の全日本選手権で日本一になると、12月のGS東京大会決勝では七戸に勝利し、「併走」に持ち込んでいた。

 残る選考の場は4月の全日本選抜体重別選手権(福岡)と全日本選手権(東京)。「迎え撃つ立場になる。挑戦者の気持ちで戦っていきたい」。アタマは譲らない。