全日本スキー連盟(SAJ)は27日、都内で臨時理事会を開き、昨年12月の米コロラド州遠征で大麻を使用していた未成年のスノーボード男子スロープスタイルで強化指定を受けている2選手に対し、競技者登録の無期限停止などの処分を決め、発表した。

 スノーボードのトップ選手は10代から活躍し、多くはプロ活動を行う。国際スキー連盟(FIS)主催のW杯には出場せず、海外の高額賞金大会に出場。優勝賞金が7万5000ドル(約825万円)のプロ大会もあり、上位に入れば大金を手にできる。大会は音楽が鳴り響き、さながらコンサート会場。パーティーなども開催され、トップ選手はスター扱いされる。若年層の選手は好奇心も手伝い、問題意識が希薄なことは否めない。

 今回のケースも10代にもかかわらず、1人で夜のパーティーに参加している。それを諭すはずのコーチは、この行動を把握できていなかった。強化指定選手とはいえ、プロ活動は全日本スキー連盟(SAJ)の管轄外ということもあり、ある程度自由にさせてきた弊害がここにある。「365日、監視できない」と古川専務理事は話すが、当該合宿は選手5人に対しコーチ、トレーナーなど4人の大人が帯同していることを考えれば、管理体制の甘さを指摘されても仕方がない。

 しかも、大麻を使用したとされる米国・コロラド州は何度も遠征する地域。当然、コーチ陣は大麻が合法(21歳以上)だということは認識しているはず。選手だけでなく、組織全体で危機管理、指導マニュアルを見直さなければ、同じことが繰り返されても不思議はない。