ラグビー、トップリーグ神戸製鋼のジム・マッケイ新ヘッドコーチ(HC=49)が5月31日、神戸市内での練習に合流した。約2時間のハードなメニューの合間に自ら指導も行い「チームカルチャー(文化)」「バランス」「フィットネス」をテーマに掲げた。

 オーストラリア人のマッケイHCは、09~13年にスーパーラグビー・レッズ(今季五郎丸が所属)のアシスタントコーチを務め、11年には優勝に導いた実績を持つ。世界的な指導者を招いた神戸製鋼だが、ここ2年間は指揮官が1年で退任。昨季指導したアリスター・クッツェーHCも、契約半ばで南アフリカ代表監督に就任する事態になった。

 腰を据えたチーム強化ができない状況だが、マッケイHCは「『ジム』と呼んでほしい。神戸のコーチができるのは誇り。しっかりしたものを作るには、1年じゃ足りない。2年は絶対にいる。次、どこかに行くときにはヒストリー(歴史)を遺産として残したい」と笑顔で宣言した。

 もちろん昨季、12季ぶりの優勝を逃したチーム状況は理解の上だ。「オファーを受けた時点で知っていた神戸製鋼の選手は」の問いにも「正直、1人も知らなかった」と素直に答えた。その後、最近6年間の映像でチームを研究したこともあり、現状に対する考えはシビアだ。「代表に1人(フッカー木津)しか行っていない。それがチームを反映している。シーズンが終わった時に、10~15人を送り出せるようなチームになればいいと思う」。定評があるのは攻撃の指導。「相手よりもトライを取るラグビーをしたい」と語る攻撃的なスタンスで、西の名門の復活を担う。