ベストではない布陣で日本が競り勝った。背景にはサンウルブズで試合を積み重ねてきた影響があった。今回の日本代表ではサンウルブズのメンバーが11人。スタッフもサンウルブズが中心だった。テストマッチとしては初戦であったが、今までの積み重ねがあった。そのため、基本的な約束事に関して選手の中に迷いはそこまでなかったように映った。

 ただディフェンスに関しては、修正が必要だ。フィジカルが上回る相手に対してどう対抗するか。次のスコットランド戦でも重要になる。本来は、もっとラインスピードを上げたかったはずだ。どうやってそれを実行するのか、次戦に向けた修正能力に期待したい。W杯以降、主力が集まって初めて日本のファンの目の前で見せる初戦。勝利だけでなく、皆から応援されるプレーを期待したい。(元日本代表)

 ◆広瀬俊朗(ひろせ・としあき)1981年(昭56)10月17日、大阪府吹田市生まれ。SO、WTB。大阪・北野高、慶大と主将を歴任、04年から東芝で12年間プレーしリーグ128試合出場。日本代表でも12年から2年間、主将。W杯イングランド大会では代表で唯一、ベンチ入りできず。昨季引退。選手会代表。代表キャップ数28。173センチ、81キロ。