ラグビー、トップリーグ神戸製鋼の昨年W杯日本代表フッカー木津武士(28)と同代表プロップ山下裕史(30)が8月31日、打倒パナソニックに闘志を燃やした。

 9月2日の同戦(午後7時半、神戸ユニバー)に向け、神戸市内で約2時間の調整を実施。練習後にはリラックスした表情を見せながらも、現在13連敗中の天敵撃破を頭に描いた。

 直近の対戦は昨季のリクシル杯(順位決定トーナメント準決勝)。10-42で敗れた大きな原因は、試合開始10分で訪れた3度の相手ゴール前ラインアウトを全て失敗したことだった。

 その一戦を故障で欠場していたのが木津だ。日本代表43キャップを誇る男は「敵がいない状態で投げているイメージを常に持つ。相手のディフェンスどうこうよりも、味方と練習してきたことを考えます」。ラインアウトさえ確保できれば、強みであるモールに持ち込める。木津の表情には強い責任感がにじんだ。

 スクラムを引っ張るのは山下だ。トップリーグ開幕前はスーパーラグビーのチーフスで武者修行。トップリーグ開幕節で感じた海外挑戦効果を聞かれても「特にないですよ。う~ん…。(日本は)暑いし、しんどいし、はよ冬来てほしいと思っていました」と笑いを誘うムードメーカーぶりは変わらない。そんな183センチ、120キロの巨体でチームを支える山下も、大一番での明確な青写真を持っている。

 パナソニックは前節ヤマハ発動機相手にスクラムで大苦戦。神戸製鋼にとってもスクラムの優劣が勝敗に大きく関わってくる。「パナは先週やられたイメージがある。うちは(前節)いいスクラムを組んだイメージがある。1回目、2回目のスクラムをいい形で組むことです。レフェリーも人間。その印象は大事」。パナソニックのプロップ稲垣、フッカー堀江も日本代表コンビ。試合中の柔軟な対応に定評がある相手だけに、序盤のスクラムにおける印象づけを意識した。

 木津も、山下も、パナソニック戦の勝利経験がない。山下は「入社してまだ勝っていない。勝ちたいし、パナがチームとして固まる前に当たれる(対戦できる)。勝つことで、チームは1ステップ上に上がれる」。大きな挑戦が間近に迫ってきた。