卓球の福原愛(27=ANA)が、今月上旬に東京都内で婚姻届を提出したことが7日、分かった。相手は、今年4月に交際を公表していた卓球台湾代表の江宏傑(こう・こうけつ、27)。8月のリオデジャネイロ五輪までは卓球に集中する一方、遠距離で愛を育んできた。リオ五輪団体銅メダルの好結果も、決断を後押ししたとみられる。今後は妻として現役を続行する予定だ。

 リオ五輪女子団体銅メダル獲得の余韻がさめやらぬ中、愛ちゃんがプライベートでも幸せを成就させた。安堵(あんど)の涙を流したブラジルから帰国後、多忙の中でも2人で準備を進め、今月に入って都内の区役所に婚姻届を提出。すぐに同居はせず、国籍も互いにそのままで、別姓の予定だ。すでに親しい関係者や、友人には報告しており、妊娠はしていないという。

 関係者には「結婚しても、卓球はお互い続けたい」と話しており、現役続行の見込み。現在は五輪中に右足を痛めたため休養中。リフレッシュ後、来年1月の全日本選手権(東京)出場を視野に入れている。

 交際のきっかけは、福原が14年末に腰痛で長期欠場を余儀なくされ、心配する江からSNSを通じてアプローチされたこと。猛烈アタックを受けて中国語で交流を始め、15年春に交際を始めた。今年4月に交際を公表後は「リオが終わるまではメダルをとることに集中したい」と、結婚に関しての発言は封印。今春に「せきぜんそく」で練習もままならない時期もあったが、江の存在が励みになった。

 遠距離恋愛だったため、会う機会は限られた。4月のリオ五輪アジア予選(香港)中には2人で外出することもあった。リオ五輪開会式では入場行進後に、大観衆の前で堂々と肩を寄せ合ってツーショット写真を撮影する、仲むつまじい姿も披露。最近は福原の東北なまりの中国語が台湾的になってきたと中国国内でも話題になるほど、注目度は世界に及んでいた。

 五輪では、石川佳純、伊藤美誠を支える「主将」として銅メダル獲得に貢献。シングルス4位も含め、鬼気迫る表情での活躍で日本を沸かせた後は「しばらくは喜びの余韻に浸りたい。今後のことはゆっくり考えたい」と話していた。家族や知人に相談しながらの決断となったが、自身のプライベートなことで、リオパラリンピックの盛り上がりを阻害したくない希望から、大会終了後に結婚報告を行う意向もあったようだ。11月には28歳。料理やファッションなど、女子力も卓球界NO・1。公私とも充実の2016年となった。

 ◆国際結婚 国籍が異なる者同士の結婚。厚労省の人口動態調査によると、国際結婚の婚姻数は06年の4万4701組をピークに年々下がり続け、14年は2万1130組。06年は16組に1組が国際結婚だったが、14年は30組に1組と減少した。

 14年の国際結婚で夫が日本人のカップルは1万4998組。妻の国籍は(1)中国(6019組)(2)フィリピン(3000組)(3)韓国・北朝鮮(2412組)の順に多い。妻が日本人のカップルは6132組で、夫の国籍は(1)韓国・北朝鮮(1701組)(2)米国(1088組)(3)中国(776組)。

 日本で外国人との結婚が1873年(明6)3月14日に公式に認可されたことを記念し、3月14日は「国際結婚の日」と定められている。