中大の矢後太規(4年)が、決勝で深井拓斗(東洋大1年)を寄り倒しで破り、初のアマチュア横綱の座に就いた。現役の中大生としては、第39回大会で優勝した栗本剛(元十両武哲山)以来、26年ぶりの優勝となった。

 リーグ戦で行われた予選の1回戦で、いきなり敗れ「切り替えるのが大変でした。アップから切り替えて、自分の相撲を取りきろうと思いました」と矢後。決勝では、32年ぶりの大学1年生アマ横綱を狙った深井を、得意の左四つ、右上手をひきつけて、186センチ、170キロの恵まれた体を生かした寄りで、最後は寄り倒した。

 北海道・芽室町出身。小学5年から本格的に相撲を始め、高校は大関豪栄道らを輩出した埼玉栄高に相撲留学。これまでビッグタイトルは無縁だったが、ここで花を開かせた。大相撲の幕下15枚目格付け出しの資格を得たことで、かねて目指していたプロ入りが、現実味を帯びてきた。入門部屋などは今後、中大関係者らと話し合って決めるという。「四つ相撲のうまい、力のある人を見習いたい」と謙虚に語った。