世界反ドーピング機関(WADA)が9日、ロンドンで記者会見を開き、ロシアの国家ぐるみのドーピングを指摘した調査チームの責任者、リチャード・マクラーレン氏による最終報告書を公表した。報告書は、組織的な隠蔽(いんぺい)に関与または恩恵を受けていた選手は夏季、冬季、パラリンピック競技を合わせ千人を超えたと結論づけた。

 検査で陽性反応を示した検体の隠蔽は、サッカーを含む30以上の競技で行われていたとした。

 7月に公表された最初の報告書は、2014年ソチ冬季五輪でのロシア選手の尿検体すり替えや、WADAへの虚偽報告といった不正の隠蔽が、同国スポーツ省の主導で行われていたと断定した。これを受け、WADAはリオデジャネイロ五輪・パラリンピックからのロシア選手団の全面除外を勧告。同国選手は五輪には条件付きで参加を認められたが、パラリンピックから締め出された。