2014年ソチ冬季五輪でドーピング検査所の所長を務め、ロシアの国ぐるみの不正に加担していたロトチェンコフ氏が出演するドキュメンタリー映画「Icarus(イカルス)」が20日、米ユタ州パークシティーで開催された映画祭で上映された。

 米芸能誌バラエティー(電子版)によると、ブライアン・フォーゲル監督はロトチェンコフ氏の協力を得て実際にドーピングを行い、検査所で行われていた不正も再現。ロトチェンコフ氏は「五輪では薬物の手助けなしで勝てるとは思わない」と語った。

 米国に滞在している同氏は昨年ニューヨーク・タイムズ紙の取材に応じて不正の実態を告白。世界反ドーピング機関(WADA)の調査にも協力し、昨年12月に公表された最終報告書では1000人を超えるロシア選手がドーピングに関与していたことが明らかになった。