女子ダブルスで穂積、加藤組が、日本女子ペアとしては02年全仏の杉山、藤原組以来の4大大会8強入りとなった。

 最後は穂積が放ったリターンがストリコバのラケットをはじいた。その瞬間、思わず2人はコート上でガッツポーズ。そのまま動けず、うれしさのあまり放心状態だった。少し間を置いて跳びはねて抱き合った。

 2人は11年全豪ジュニアのダブルスで準優勝した経験がある。長年、息の合ったコンビで相手のパワーと技術を封じた。ミルザはダブルス世界2位の専門家で、昨年はヒンギス(スイス)と組んで優勝している強豪だ。穂積と加藤は、昨年だけで3回対戦して全敗だった。「今回はどうしても勝ちたかった」(加藤)と、勝利への執念で上回った。

 日本女子の“漫才コンビ”と呼べるぐらい仲がいい。穂積がつっこみで、加藤がぼけ。この日も、穂積が「もう打つと決めていた。思い切って打った」という最後のショットについて「『ストレートに打つ』って加藤に言った」と振り返ると、加藤は「『前と同じね』としか言ってません。同じって何やろって思いました」と笑った。

 昨年はポーランドの大会でツアー初優勝を果たしていた。しかし、穂積は「まさか8に残れるなんて。実感が湧かない」。準々決勝はノーシードのペアが相手だ。「いけるところまでいきたい」(穂積)。とにかく明るい“漫才”ペアが、無欲で快進撃を続ける。