札幌市などで2月に開かれる冬季アジア大会の組織委員会は26日、南京大虐殺を否定する書籍が置かれたアパホテルなど選手らが使用する全ホテルの代理店に対して、スポーツの理念に基づく対応を改めて求めるメールを送った。組織委によると、書籍の撤去は直接求めておらず、アパホテルからも撤去は伝えられていないという。

 組織委によると、選手団や大会役員が宿泊するホテル計11施設の代理店に送ったメールは「参加選手が快適に過ごせるような環境づくりがなされているか、改めて確認してほしい」との内容。

 組織委は2015年4月、アパホテル側に「偏見や差別の問題が起きないように、スポーツ理念に基づく対応を求める」と伝達。該当書籍に限らず、客室内にある全ての「情報物」を撤去するよう要請していたという。16年2月に選手村になることが正式決定した後も、配慮を求めていた。

 アパホテルを運営するアパグループは、選手村として使われる札幌市南区のホテルについては、組織委から正式な要請があれば書籍を撤去するとしていた。

 組織委によると、冬季アジア大会には31の国・地域がエントリーを表明。中国や韓国の一部選手を含め、アパホテルに最も多くの選手が泊まる予定になっている。